精神世界に住まうこと
おはよう。
霞んだ冬だねえ雲が近くまで降りてきているさ・
そう言ってぼやけた目で玄関を開けて外へ出る。
外は寒いが、彼は裸足で トテチテタ。と石の上を歩く。
水をためているタンクの前にしゃがみ込むと赤いレバーを捻り
両の手のひらで受けた。
「人間に必要ないっぱいの水はこの手の皿だけで十分」
そんな戯言を頭に思い浮かべて、手のひらを顔にうける
滴る水はまた、蟻か鳥の飲み水に変わるでしょう。
顎から伝う水は服を濡らしパーカーの袖で顔拭います。
いっぱいの水を飲み干し、また、トテチテタ。
高台の神社から見据えた景色はなんともよかろう。
朝でも相変わらず鳥は鳴いている。彼らもまた、今日という日を迎えた。
ゴーーーーーーーンーー、、、、、、
昨日、やりっ放しになっていた草刈りの片付けを見て見ぬふりをし、朝の時間へ入った。
畑から幾ばくかの野菜を頂戴し、キッチンで音を立てる。
水を湯がき、菜を火照らせる。
コツリと机の上に佇まう姿は、主人の帰りを待つ慎ましい女性そのもの
青い皿が調和する3つの時間帯そのものである。
来客用のはちみつを足してからいただきます。